灰と愚者の邂逅

 出会いは最悪だった。 平凡な家庭に生まれながら、身に余る力を持っていた故に何もかも失ってきた俺と。 厳しい境遇に生まれ力も何もない所から、自力であらゆる物を手にしてきたアイツと。 正反対の二人。何の共通点もない……強い

最愛によく似た君は

 あぁ、まいったな。思わず眉間にしわが寄る。 ガレキ島にある、寝室代わりのボロボロなアパートの一室。今晩同室の相手、義手と義足をつけた少女サチカは、当然ボクの思いなんて知りもしないのだろう。上機嫌で鼻歌なんて歌っていた。

VDの甘い贈り物

 早朝、レスタルムの街。日中は容赦なく肌を灼く日差しも今は低く、生温い風が吹き抜けていくが蒸し暑さはまださほど、と言った感じだ。 そんな中でも、市場は既に賑わいを見せている。 イグニスはグラディオラスを連れて市場へと食材

君の手に、触れて

 海に囲まれ、街中に水路が張り巡らされた水の都オルティシエ。観光都市として栄える賑やかなこの街に一行が訪れてから早数日。 イグニスとグラディオラスは買い出しを終え、それぞれ荷物を抱えてリウエイホテルまでの道を歩いていた。