休憩時間に秘密をひとくち
今日はラッキーだ。 監督生は内心でガッツポーズをする。モストロ・ラウンジでのアルバイト、その休憩時間。ジェイドが作ったまかないのシーフードピラフを食べながら、ちらりと目の前の人物を盗み見る。 自分と向き合う形で座ってい…
今日はラッキーだ。 監督生は内心でガッツポーズをする。モストロ・ラウンジでのアルバイト、その休憩時間。ジェイドが作ったまかないのシーフードピラフを食べながら、ちらりと目の前の人物を盗み見る。 自分と向き合う形で座ってい…
モストロ・ラウンジの閉店後。VIPルームで売り上げの計算をしていたアズールは、小さく唸った。「おや、売り上げが思わしくなかったのですか? 客入りは良いように思いましたが」「数値は良いですよ。いつも以上に」 稼げたという…
近頃、学園内で流れる妙な噂。突然閉じ込められ、指定された課題を達成しないと出られない、不思議な部屋が存在するという。 魔法の気配を感じる部屋、外に繋がっていそうな扉には簡単に開きそうにない鍵。 寮長の個室程度の広さがあ…
「そういえば、アズール先輩の告白にはちょっと驚きました」 監督生が笑顔で言い放った言葉に、視線が一箇所に集まる。「は、僕が?」 何を言っているのか分からない、と言いたげにアズールは綺麗な顔を嫌そうに歪める。その隣に立つ長…
魔法の使えないただの人間。異例の監督生。飛び抜けて美しい容姿や、高貴な生まれをしているわけでもない。本当に、ごく平凡なひとだ。 けれどそのまっすぐな眼差しは、射貫くような力強さを持っていて。何をするか分からない不穏さ、…