VDの甘い贈り物

 早朝、レスタルムの街。日中は容赦なく肌を灼く日差しも今は低く、生温い風が吹き抜けていくが蒸し暑さはまださほど、と言った感じだ。 そんな中でも、市場は既に賑わいを見せている。 イグニスはグラディオラスを連れて市場へと食材

君の手に、触れて

 海に囲まれ、街中に水路が張り巡らされた水の都オルティシエ。観光都市として栄える賑やかなこの街に一行が訪れてから早数日。 イグニスとグラディオラスは買い出しを終え、それぞれ荷物を抱えてリウエイホテルまでの道を歩いていた。