雪解け水に想い溶かして
光に覆われた第一世界を救い、原初世界での第八霊災も防いだ英雄。原初世界では光の戦士、こちらの世界では闇の戦士と呼ばれた彼女は、突然召喚されたにもかかわらず、正体も明かせずにいた自分を信じて最後まで戦い抜いてくれた。 大…
光に覆われた第一世界を救い、原初世界での第八霊災も防いだ英雄。原初世界では光の戦士、こちらの世界では闇の戦士と呼ばれた彼女は、突然召喚されたにもかかわらず、正体も明かせずにいた自分を信じて最後まで戦い抜いてくれた。 大…
賑わう街を、二人で歩くのは楽しい。グリダニアで行われているヴァレンティオンのイベントを見に、シャーレアンから来たグ・ラハ・ティアは平静を装いつつ内心では浮かれていた。愛の日一色に彩られた街はいつもと雰囲気が違ってい…
世界の為に戦い、走り続ける日々も、過ぎ去ってしまえばあっという間に感じられる。「お茶が入りまっした!」「ありがとう、タタルさん」 人の少なくなった石の家で、彼女は仲間たちとテーブルを囲んでいた。テーブルにはタタルが淹れ…
長くイシュガルドで続いてきた竜詩戦争が一人の英雄によってその幕を閉じ、それからは目まぐるしい国内の変化で日々忙しく過ぎていく。 ……というのは引退した父に代わり家督を継いだ兄や、政治に関わる者達など周囲の人の話で、エマ…
一度に色々なことが起きて、簡単に頭が受け入れてくれない。 それでも絶望せずにいられたのは、優しく差し伸べられた手があったからだ。 ――英雄と呼ばれた少女は一夜にして罪人の身となった。 クリスタルブレイブの裏切り。罠に…
強い雨が全身に叩きつける。グリダニアの森で俺はただ一人立ち尽くし、雨に打たれていた。 血で滑った斧を離し、手のひらを見れば、雨に洗われてまばらに残った血の痕が薄明かりに照らされて見えた。 自分の血なのか、助け出そうとし…
任務を終え、報告にあがったグリダニアの街。ちらほら視線を感じるのが、どうにも落ち着かない。 街の人達は、英雄と呼ばれる存在が余程気になるのだろう。 自分ではエオルゼアを旅する一介の冒険者のつもりだったのに、いつの間…