ローレンツ先生の救出
それは出勤前に、病院近くのコンビニへ寄って買い物をした日のことだった。昼食用のパンを買い、会計を済ませて病院へ向かおうとして店を出たその時。向こうから、見慣れた人物が歩いてきた。「ローレンツ先生」 シンプルなシャツに、…
それは出勤前に、病院近くのコンビニへ寄って買い物をした日のことだった。昼食用のパンを買い、会計を済ませて病院へ向かおうとして店を出たその時。向こうから、見慣れた人物が歩いてきた。「ローレンツ先生」 シンプルなシャツに、…
タバティエール先生は、救命救急科の中でも年長の医師だ。 シャスポー先生やドライゼ先生を前に、『俺はあいつらみたいに優秀じゃないから、サポート役くらいがちょうど良いのさ』なんて言ってはいるけれど、本人だって相当な実力者だ…
銃とは、人が創り出した道具である。そこに自分の意思などなく、ただ使い手が思うように、性能を発揮するだけ。特に量産型である僕らは、唯一品の銃よりも多くの人に触れている。僕ではない、別のシャスポー銃の記憶も、ある程度は持ち…
ガタン、ゴトンと不規則な音が耳に届き、そのたびに小さな揺れを体に感じる。大きな窓の外にはゆるやかに流れていく景色。出発した時には紺青に塗りつぶされていた夜空が、だんだんと昇っていく太陽に色を溶かされ、朝と夜の境目に綺麗…
こんなにたくさんの人にお祝いされた誕生日なんて、初めてかもしれない。 この基地は、貴銃士たちだけでも、三十はゆうに越えている。それにレジスタンスの仲間もいる。それぞれ任務もあるから全員が一度に集まったわけではないけれど…
大切な人の誕生日。年に一度の特別な日。何を贈ろうか、と悩みに悩んでいる間に、時間は無情にも過ぎ去っていく。 ケーキを作るのは決まっていたけれど、それだけでは済ませられない。 街を歩き回ってみるけれど、これといった物は決…
食堂が昼のピークを過ぎ、片付けの手伝いも一段落した頃。 恭遠に指定された召集時刻が近づいていることに気づき、タバティエールは作戦室へと向かった。 指定された時刻より十分ほど早いが、そこには既に恭遠とマスター、それか…