no title

 空が夕の赤から夜の青へとグラデーションを描き始めた頃。タバティエールとマスターの二人は基地への道を急いでいた。少し離れた街にいるレジスタンスのシンパの元へ二人で交渉に赴いていたので、途中までは馬車を使ったのだが残りは徒

睦言

 熱のこもった部屋に響く、甘く高い声。もう何度目かわからない夜。二人きりで愛を交わすこの時間は、この身を得られてよかったと、強く感じる。 シーツに広がる長い髪、涙に濡れた瞳。絡めていた指を一度離して、汗で張り付いた前髪を