2.反論さえ呑み込んで
戦い傷ついた貴銃士も癒せないで、何がマスターか。 手の甲にある薔薇の傷からは赤い血が滲んで、ずきずきと痛みを訴えている。 けれどそれ以上に、目の前にある傷だらけの褐色の肌をーーアリ・パシャさんの身体を見ているほうがつら…
戦い傷ついた貴銃士も癒せないで、何がマスターか。 手の甲にある薔薇の傷からは赤い血が滲んで、ずきずきと痛みを訴えている。 けれどそれ以上に、目の前にある傷だらけの褐色の肌をーーアリ・パシャさんの身体を見ているほうがつら…
「ねぇ、マスター。俺、キスも上手なんだけど……試してみる?」「結構です」 ウインクと共に軽い調子で告げられた言葉に、私は間髪入れずにきっぱりと返した。 眉を顰めたまま彼の整った顔を見上げれば、ホールさんは、残念、と思って…