HAPPY BIRTHDAY①
大切な人の誕生日。年に一度の特別な日。何を贈ろうか、と悩みに悩んでいる間に、時間は無情にも過ぎ去っていく。 ケーキを作るのは決まっていたけれど、それだけでは済ませられない。 街を歩き回ってみるけれど、これといった物は決…
大切な人の誕生日。年に一度の特別な日。何を贈ろうか、と悩みに悩んでいる間に、時間は無情にも過ぎ去っていく。 ケーキを作るのは決まっていたけれど、それだけでは済ませられない。 街を歩き回ってみるけれど、これといった物は決…
食堂が昼のピークを過ぎ、片付けの手伝いも一段落した頃。 恭遠に指定された召集時刻が近づいていることに気づき、タバティエールは作戦室へと向かった。 指定された時刻より十分ほど早いが、そこには既に恭遠とマスター、それか…
戦い傷ついた貴銃士も癒せないで、何がマスターか。 手の甲にある薔薇の傷からは赤い血が滲んで、ずきずきと痛みを訴えている。 けれどそれ以上に、目の前にある傷だらけの褐色の肌をーーアリ・パシャさんの身体を見ているほうがつら…
「ねぇ、マスター。俺、キスも上手なんだけど……試してみる?」「結構です」 ウインクと共に軽い調子で告げられた言葉に、私は間髪入れずにきっぱりと返した。 眉を顰めたまま彼の整った顔を見上げれば、ホールさんは、残念、と思って…