祝杯
雲一つない晴天のクルザス中央高地。救国の英雄である青年は黒チョコボを駆り、スチールヴィジルの先へと向かっていた。イシュガルドを一望できるこの場所には、一つの墓石がある。「来たぜ、オルシュファン」 青年はチョコボから降り…
強い雨が全身に叩きつける。グリダニアの森で俺はただ一人立ち尽くし、雨に打たれていた。 血で滑った斧を離し、手のひらを見れば、雨に洗われてまばらに残った血の痕が薄明かりに照らされて見えた。 自分の血なのか、助け出そうとし…
任務を終え、報告にあがったグリダニアの街。ちらほら視線を感じるのが、どうにも落ち着かない。 街の人達は、英雄と呼ばれる存在が余程気になるのだろう。 自分ではエオルゼアを旅する一介の冒険者のつもりだったのに、いつの間…