恋人のお仕事

 部屋の中に、二人分のペンを走らせる音だけが響く。 カミュさんの執務室で、私とカミュさんは山のように溜まっていた書類を捌いていた。 別にサボってため込んでいたわけではない。プリムスクラブの総支配人であるカミュさんの所には

午前一時の約束

 眩く輝く月と星々に彩られた夜空は、濃紺に塗られたキャンバスに宝石を散りばめたみたいだった。空気は澄んでいて雲一つなく、見慣れたはずの風景も今日は特別明るく感じる。 それは天気のせいだけではなくて自分が浮かれているせいか