計略と破綻の傷跡
「ハッ、来る頃だと思ってたぜ」 娯楽室のソファに座る彼の姿も、もはや見慣れたものだ。「んじゃセツ、あいさつ代わりだ。一発ココに熱いベーゼを頼むわ」 ココ、と自分の頬を指差して、沙明はニヤニヤと笑う。隣に立つセツが、心底嫌…
仕事帰りに何気なく寄ったショッピングモール。一人ふらふらとあてもなく彷徨いながら、沙明は一人ぽつりと零した。「バレンタイン……ねぇ」 この惑星に来てから数ヶ月、生活にもだいぶ慣れたがこの時期の盛り上がりは初めて見た。街…
今回は乗員が五人と少ない。グノーシアも一人。乗員に有利な条件、に見えていたけれど。チャンスが少ない分、一度選択を間違えると大変なことになる。 初日の投票先を誤り、夜の襲撃も許してしまった。船の残りは三人、俺とセツと沙…
終了条件を告げるアナウンスが聞こえる。この船の、今回の生存者は自分とセツ、二人だけ。「終わったね」「うん……」 安心したような顔で微笑むセツに、頷く自分の気持ちは重い。 この後は少し経って、二人とも別々にループが始まる…